これからの地方公務員についての考察~公務員に関係するすべての人へ~

地方公務員の仕事

こんにちは。たくのすです。

しばらくぶりの投稿です。

ちょっと時間をかけて考えて、やはり県庁を退職したいという思いがほぼ固まりました。

まさに今は人事異動の季節で、たくのすの職場も今週人事異動がありましたが、この結果を見て、あらためて退職に向けてすすんでいこうと思いました。

今回は、今までも書いてきたとは思いますが、地方公務員の現状について書きたいと思います。

これから地方公務員になりたいと思っている人や、まもなく入庁する予定の人、すでに働いている人、公務員に関係するあらゆる人が、自分のキャリアについて考えるきっかけになればいいなと思います。

地方公務員の現状

それでは、地方公務員の現状について、まとめたいと思います。

頑張っても頑張らなくてもほぼ同じ待遇

ある程度の組織になれば、仕事ができる人とそうでない人が生じるのは当然です。

ご存じの方も多いと思いますが、パレートの法則というのがありますね。

売上げの8割は2割の社員に依存する、というものです。

この2割の職員と残り8割の職員の待遇が同じで、本当にその組織は持続するでしょうか。

ちょっと考えればわかると思いますが、するわけないですよね。

2割の人たちはやってられないからです。

たくのすは民間企業にいたことがありますが、そこではできる人とできない人な待遇の差が如実についています。

もちろんできない人もクビになるわけではないです。

組合もありますからね。

でも、職位や給料等で差がついてます。

できない人はできる人の指示に従い、できなかったら怒られ、恥をかき、稼ぎも少ないです。

だからみんな基本的に出世を目指して頑張っています。

一方、公務員は違います。

激務部署続きで、財政課も経験し、幹部に説明を何度も行った人間と、

入庁時出先の税事務所から学校の事務、その後産休で2年休み復帰した人間で、そこまで待遇に差がでません(産休育休は給与計算に影響するので多少関係しますが)。

文章の質も、調整の力も、説明能力も全然違います。

でも給料はほとんど同じで、同じ職位です。

できない人もできる人も同じ扱いです。

できる2割の人は「やってられない」と思いませんか。

今、この2割の人間がどんどんやめていっていると、肌身で感じています。

そしてこの2割になっていたであろう人間が、そもそも入庁しなようになってきています。

公務員人気減による若手職員の質低下

SNSを見ていると分かると思いますが、公務員の人気は下がっています。

以下に示すのは、総務省の『地方公務員における働き方改革に係る状況~令和3年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要~』と『平成30年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果』です。

どうでしょう。

競争率の低下具合。

平成22年あたりは、リーマンショック後で倍率が急激にあがりましたが、令和2年度のコロナではそこまでではないですね。

これは、地方公務員の実態が、SNSを通して明らかにされてしまったというのも要因かと思います。

このページで書いてあるような内容が、高校生や大学生にも浸透し、優秀層を中心に受験生が減少しているのではないかと思います。

なぜ優秀層かというと、上で記載したように、優秀な人が馬鹿を見る組織だからです。

出世しても責任が重く、休みは少ない

それでも、頑張って仕事をしてえらくなれば報われるのでは?

そう思うかもしれませんが、それはないです。

仕事の対価として得られるものはいろいろありますが、やはり公平に考えれば給料が一番わかりやすいものさしでしょう。

出世したときにどれくらいお金がもらえるか。

まずはこちらをみてください。

『都道府県の平均年収ランキング』です。

一度は検索されたことがあると思います。

今回は、この第8位である滋賀県を見てます。

ちなみに滋賀県を取り上げるのは、全国平均に近いって理由だけです。

では次にこちらを見てください。

検索すれば出てきますが、令和4年度『滋賀県職員モデル給与例』です。

この年間給与(勧告後)を見ましょう。

部長で1,140万程度、課長で880万程度ですね。

部長になれば、年収1,000万超えです。

やったー、部長になればそんなにもらえるなら頑張ろう、ではないんです。

こちらも滋賀県ですが、ぱっと見て15の組織がありますね。

厳密にいうといろいろありますが、部長というのは、この15の組織のトップということです。

滋賀県の一般行政の人数が、一般行政部門で3,356名(2022年4月)のようですから、

15/3,356になるかどうかですね。

しかも一度就任して、だいたい2、3年くらいは部長職を勤めるとすると、もはやものすごいことだということがわかると思います。

経歴的に、ほぼ確定でなれそうな人もたまにいますが、目指して簡単になれるようなものではありません。

そして仮になれたとしても、基本的に激務です。

そして責任がめちゃくちゃ重いです。

最近は住民の目も厳しく、不祥事だらけですからね。

そしてだいたい休日がイベント等でなくなります。

では、課長はどうか。

各部局に、だいたい10くらいの課がぶら下がっているとして(調べてください)、15×10で150課です。

150/3,356ですね。

これであれば4パーセントくらいなので、可能性ありそうです。

でも、よくよく考えると、880万なんですよね。

部長より260万も少ない。

800万台であれば、30代の私の友達にも何人もいます。

要はその程度ってことで、ちなみに課長も休日はつぶれますし、部長に比べて責任は直接かかってくるので、より重い時があります。

定年延長による年寄りの増加

次に、こちらです。

『令和3年度地方公務員の再任用実施状況等調査』というものです。

定年延長というのは聞いたことがあると思います。

いわゆる再任用職員というものですが、この表のとおり増加しているのは明らかです。

業務に慣れているしありがたい存在だ、と思うかもしれません。

そんなありがたい人もたまにいるかもしれません。

ですが、基本的にはそんなことはないです。

確かに、一度退職まで働いているので、いろいろ詳しいですが、それとしっかり働くかは別です。

むしろ、プライド高く、変に問題点ばかりあげて、面倒な存在となる場合が多いです。

まぁ、課長とかで退職した人が、若手と机並べて、くだらない事務作業なんて、普通やりたくないですよね。

ですから、文句をいう、楽ばかり考える、基本的には責任がないので無責任なことばかりいう、こんな感じです。

ちなみに給与は、退職時の7割といわれています。

以下は、『国家公務員の60歳以降の働き方について(概要)』の抜粋です。

国家公務員ですが、地方公務員は国の真似するだけなので、基本的には同じになります。

どうでしょうか。

ちなみに、上記例でいう「287,100」円の棒給月額ですが、たくのすとほぼ同じです。

ということは、20代の職員よりも高いということで、30代後半の一番使われる時期の給与とほぼ同じ額をもらえるわけです。

20代の若手職員は、やってられないと思いませんか?

50代の中間管理職になった時、そんな若手職員と再任用職員の間に挟まれる自分を思うとぞっとします。

ちなみに優秀な部長クラスは、再任用ではなく、今のところ天下りをします。

10年後はわかりませんが。

楽ばかり考える、権利ばかり主張する周り

最近ほんとに思いますが、このような人ばかりです。

どうしたら人に仕事を押し付けられるか、休めるか、考える人ばかりな気がします。

新規事業をどうやって進めようとか、どうしたら今の問題を解消できるかとか、考えてる人はごく少数です。

最初の話に戻ってしまいますが。

どんなに最初はやる気があっても、この周りの環境に合わせてどんどん低下していきます。

数年での人事異動

未だに、数年で異動し、ジェネラリストを育てる人事異動です。

ジェネラリストといえば聞こえはいいかもしれませんが、この時代にジェネラリストはもうあまり必要ありません。

それは、民間企業でもジョブ型採用等が広まってきていることから明らかでしょう。

例えば、デジタル関係の部署で数年働いていた人が、高齢者介護にいったり、都市計画をやっていた人が、農業対策をやったりします。

現在のようにあらゆる分野が複雑になっている状況では、この人事では、もはや対応できないのです。

もちろんこの人事にもいい面はありますが、仕事の質を考えれば、10年前と同じ人事異動でいいとは思えません。

人口減による長期的な労働環境の悪化

これはもはや明らかですが、どんどん人口が減っていきます。

税収が減ります(見かけ上は増えるかもしれませんが、借金して金をばらまいているので、本質的には減ります)。

その矛先が、公務員の待遇につながっていくことは、今までの日本をみていればわかると思います。

とるべき方法

いろいろ悪いことばかり述べましたが、ではどうするか?です。

年齢別に簡単に。

20代

20代であれば、よほどでない限り、地方公務員にはなってはいけません。

もちろん、以前述べたような、公務員しかできない仕事に憧れているなら別です。

公務員の待遇や、行政の仕事に魅力を感じて入ろうと思っている方は、やめたほうがいいと思います。

いま公務員の方は、転職することを勧めます。

ただし、自分は仕事ができないと思っている人は、割り切って公務員として生きていくのもいいでしょう。

ただし10年後はほとんどそんな人間ばかりになるので、たぶん楽はできません。

30代

30代であれば、おそらくもう公務員の方だと思います。

転職を勧めます。

難しく思えるかもしれませんが、このご時世、意外とどうにかなったりします。

たくのすも以前転職活動をしてみたところ、簡単に最終面接までいけました(大企業)。

転職の覚悟が決まってなかったので、最終面接手前で辞退しましたが。

40代

40代であれば転職を目指し、ダメだったらあきらめましょう。

40代であっても転職できる可能性はありますが、希望がどれだけかなうかは微妙です。

妥協できそうであれば、転職してみるのもいいと思います。

だめだったら、あきらめてしがみつきましょう。

50代

しがみつく、一択です。

もはや逃げ切り体制で、可能な限り再任用で楽して小遣いを稼ぐのが得策かと思います。

泥船から逃げ出したい

公務員は泥船です。

なかなか沈みませんが。

居心地がいいところはほとんどありません。

たくのすも自分の人生を見直し、頑張っていきたいと思います。

皆さん頑張りましょう。

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